AWS Certified Cloud Practitioner では、AWS の主要サービスを「何に使うか」で区別できることが重要です。ストレージ分野では、Amazon EBS、Amazon S3、Amazon EFS などが登場しますが、初学者が特に混同しやすいのが Amazon EBS とインスタンスストアです。この記事では、試験で問われやすい Amazon EBS の基本、スナップショット、ボリュームタイプ、インスタンスストアとの違いを、初心者向けに整理します。
Amazon EBS とは何か
Amazon EBS(Amazon Elastic Block Store)は、Amazon EC2 に接続して使うブロックストレージです。ブロックストレージとは、OS から見ると「1本のディスク」のように扱えるストレージのことです。PC に内蔵 SSD や外付け SSD をつなぐ感覚に近く、EC2 にアタッチしたあと、必要に応じてフォーマットして利用します。
試験対策としては、まず次の1文を押さえると理解しやすくなります。
- EBS = EC2 に取り付けて使う、永続的なディスク
Amazon EBS の公式説明でも、EBS ボリュームは EC2 インスタンスにアタッチして使い、ローカルハードドライブのように扱えるとされています。
EBS の重要ポイント
1. EBS は EC2 にアタッチして使う
EBS は単独で使うというより、EC2 と組み合わせて使うサービスです。たとえば、Web サーバー用の EC2 に EBS をアタッチし、OS、アプリケーション、ログ、データベース用のファイルなどを保存します。
2. EBS ボリュームは Availability Zone 単位
EBS ボリュームは作成時に Availability Zone(AZ) を持ちます。そして、同じ AZ にある EC2 にしかアタッチできません。たとえば、東京リージョン内でも ap-northeast-1a で作成した EBS を ap-northeast-1c の EC2 に直接アタッチすることはできません。
この点は試験で非常によく問われます。リージョンと AZ を混同しないようにしましょう。
3. EBS は EC2 の実行中ライフサイクルとは独立して保持できる
EBS は、EC2 の実行状態とは独立してデータを保持できる永続ストレージです。EC2 を停止しても、EBS 上のデータは基本的に残ります。EC2 のルートボリュームが EBS の場合は stop/start が可能で、Cloud Practitioner では「EBS バックドな EC2 は停止できる」という点も整理しておくと役立ちます。
4. 1台の EC2 に複数の EBS を付けられる
1台の EC2 に複数の EBS ボリュームを接続できます。たとえば、次のような分け方がよくあります。
- ルートボリューム:OS 用
- 追加ボリューム:アプリケーションデータ用
- 追加ボリューム:ログ用
このように分けると、運用やバックアップの管理がしやすくなります。
スナップショットとは何か
EBS のバックアップで重要なのが スナップショット です。スナップショットは、EBS ボリュームのある時点の内容を保存する仕組みです。
スナップショットの本質
- ある時点の EBS ボリュームのコピーを保存する
- バックアップや復旧に使える
- スナップショットから新しい EBS ボリュームを作成できる
たとえば、業務サーバーの EBS ボリュームが 100 GiB あるとして、夜間にスナップショットを取得しておけば、障害時にそのスナップショットから新しいボリュームを作り直して復旧できます。
増分バックアップである点が重要
EBS スナップショットは 増分バックアップ です。つまり、毎回すべてのデータを丸ごと保存するのではなく、直前のスナップショットから変更があったブロックだけを保存します。
初心者向けに言い換えると、1回目は土台を作り、2回目以降は「前回から増えた・変わった分だけ」を追加で保存するイメージです。これにより、ストレージコストとバックアップ時間を抑えやすくなります。
スナップショットはどこに保存されるか
EBS スナップショットは Amazon S3 に保存されます。ただし、通常の S3 バケットのように自分で中身を直接参照するのではなく、EBS のスナップショット機能として管理します。試験では「スナップショットは S3 に保存されるが、EBS のバックアップ手段として理解する」と覚えると整理しやすいです。
スナップショットの活用例
- EBS の定期バックアップを取得する
- 障害時に新しい EBS ボリュームとして復元する
- 別 AZ で新しいボリュームを作る
- 別リージョンへコピーして災害対策に使う
特に試験で重要なのは、EBS ボリューム自体は同じ AZ でしか使えないが、スナップショットを使えば別 AZ や別リージョンへ展開できるという整理です。
ボリュームタイプの基本整理
EBS には複数のボリュームタイプがあります。Cloud Practitioner では細かな数値暗記より、SSD 系か HDD 系か、どんな用途向けかを区別できれば十分役立ちます。
| 分類 | 代表的なタイプ | 特徴 | 向いている用途 | 覚え方 |
|---|---|---|---|---|
| 汎用 SSD | gp3 / gp2 | バランス型。多くの一般用途で使いやすい | Web サーバー、業務アプリ、一般的なブートボリューム | 迷ったらまず gp 系 |
| プロビジョンド IOPS SSD | io1 / io2 | 高い IOPS が必要なワークロード向け | 高性能データベース、低レイテンシ重視の処理 | 性能重視の SSD |
| HDD | st1 / sc1 | 大容量・低コスト寄り。ランダムアクセスより順次処理向け | ログ、スキャン中心のワークロード、低頻度アクセスデータ | 大きく安く使いたいとき |
試験対策としては、次の切り分けができると強いです。
- 一般用途なら gp 系
- 高 IOPS が必要なら io 系
- 大容量で安価重視なら HDD 系
インスタンスストアとは何か
インスタンスストアは、EC2 に一時的に付属するローカルストレージです。EBS と違い、永続保存向けではありません。
試験では次の整理が最重要です。
- インスタンスストア = 一時的な保存領域
- 停止・休止・終了でデータは消える
- 再起動ではデータが残る
たとえば、キャッシュ、一時ファイル、処理途中の作業データのように、消えても再生成できる用途に向いています。逆に、業務データやデータベース本体の保存先には向きません。
EBS とインスタンスストアの違い
| 項目 | Amazon EBS | インスタンスストア |
|---|---|---|
| 性質 | 永続的なブロックストレージ | 一時的なローカルストレージ |
| 主な用途 | OS、アプリ、データ、ログ、DB など | キャッシュ、バッファ、一時ファイル |
| 停止時のデータ | 基本的に保持される | 消える |
| 終了時のデータ | 設定次第で保持可能なものがある | 消える |
| バックアップ | スナップショット可能 | EBS スナップショットのような仕組みは前提ではない |
| 試験での覚え方 | EC2 のディスクとして長く使う | 一時作業用で消えてもよいデータ向け |
試験で狙われやすいポイント
- EBS は EC2 用のブロックストレージ
- EBS ボリュームは同じ AZ の EC2 にアタッチする
- EBS スナップショットは増分バックアップ
- スナップショットから新しい EBS ボリュームを作成できる
- インスタンスストアは一時的で、停止・休止・終了でデータが消える
- 一般用途の EBS は gp 系、高性能 DB は io 系、低コスト大容量は HDD 系
3つの典型問題で確認
例1:EC2 の OS ディスクとして使いたい
答え:Amazon EBS
理由:EC2 にアタッチして使う永続的なブロックストレージだからです。
例2:サーバー停止で消えてもよい高速な一時領域がほしい
答え:インスタンスストア
理由:一時ファイルやキャッシュ向けのローカルストレージだからです。
例3:EBS の内容をバックアップし、必要なら別 AZ に復元したい
答え:EBS スナップショット
理由:スナップショットから新しいボリュームを作成できるためです。
直前復習用まとめ
- EBS は「EC2 に付ける永続ディスク」
- スナップショットは「EBS の増分バックアップ」
- ボリュームは「同じ AZ の EC2 に付ける」
- インスタンスストアは「一時保存。停止や終了で消える」
- 迷ったら、長く残すデータは EBS、一時データはインスタンスストア
参考情報(AWS公式)
- https://docs.aws.amazon.com/pdfs/aws-certification/latest/cloud-practitioner-02/cloud-practitioner-02.pdf
- https://docs.aws.amazon.com/ebs/latest/userguide/what-is-ebs.html
- https://docs.aws.amazon.com/ebs/latest/userguide/ebs-volumes.html
- https://docs.aws.amazon.com/ebs/latest/userguide/ebs-attaching-volume.html
- https://docs.aws.amazon.com/ebs/latest/userguide/ebs-snapshots.html
- https://docs.aws.amazon.com/ebs/latest/userguide/ebs-volume-types.html
- https://docs.aws.amazon.com/AWSEC2/latest/UserGuide/storage_ebs.html
- https://docs.aws.amazon.com/AWSEC2/latest/UserGuide/Stop_Start.html
- https://docs.aws.amazon.com/AWSEC2/latest/UserGuide/instance-store-lifetime.html
- https://docs.aws.amazon.com/AWSEC2/latest/UserGuide/configure-root-volume-delete-on-termination.html
