AWS DataSyncとAWS AppSyncは、名前は似ていても役割が大きく異なる
AWS認定試験の学習で混同しやすいのが、AWS DataSync と AWS AppSync です。どちらも末尾に「Sync」が付きますが、担当する領域はかなり違います。
先に結論を言うと、DataSyncはデータ転送・同期のサービス、AppSyncはアプリ向けAPIのサービスです。この違いを押さえるだけで、サービス選択問題の見分けがかなり楽になります。
まずは一言で整理
- AWS DataSync:オンプレミスや他のストレージとAWSストレージの間で、ファイルやオブジェクトデータを効率よく転送・同期するサービス
- AWS AppSync:アプリケーションからデータにアクセスするための、GraphQL / Pub/SubベースのマネージドAPIサービス
比較表で違いを確認
| 項目 | AWS DataSync | AWS AppSync |
|---|---|---|
| 主な目的 | データの転送・同期 | アプリとデータソースをAPIで接続 |
| 扱う対象 | ファイル、オブジェクトデータ | アプリのリクエスト、GraphQLデータ、リアルタイムイベント |
| 代表的な利用場面 | オンプレミスNASからAmazon S3へ移行、EFS/FSxとの同期 | モバイルアプリやWebアプリのバックエンドAPI、リアルタイム更新 |
| 接続先のイメージ | Amazon S3、Amazon EFS、Amazon FSx、NFS、SMB、HDFS、オブジェクトストレージなど | Amazon DynamoDB、AWS Lambda、Amazon OpenSearch Service、HTTPエンドポイント、リレーショナルDBなど |
| キーワード | 移行、転送、同期、ストレージ、ファイル | GraphQL、API、アプリ、リアルタイム、サーバーレス |
| 試験での見分け方 | 「大量データを移す」「共有ストレージを同期する」ならこちら | 「アプリからデータ取得」「リアルタイム反映」ならこちら |
AWS DataSyncとは何か
AWS DataSyncは、AWS公式では「安全で信頼性が高く高速なファイル転送サービス」と説明されています。主な役割は、ファイルまたはオブジェクトデータをAWSストレージに移すこと、あるいはAWSストレージ間で移動することです。
DataSyncが向いている場面
- 社内ファイルサーバーのデータをAmazon S3へ移行したい
- オンプレミスのNASとAmazon EFSを定期的に同期したい
- 大量データをできるだけ効率よくAWSへ移したい
押さえたいポイント
- ストレージ間のデータ移動が主目的
- ファイル共有やバックアップ、移行の文脈で登場しやすい
- アプリの画面更新やAPI提供を担当するサービスではない
AWS AppSyncとは何か
AWS AppSyncは、AWS公式では、アプリケーションやサービスをデータやイベントに接続するための、安全でサーバーレスかつ高性能なGraphQL / Pub/Sub APIサービスと説明されています。
AppSyncが向いている場面
- モバイルアプリから必要なデータだけ取得したい
- 複数のデータソースを1つのAPIでまとめて扱いたい
- チャット、通知、ダッシュボードなどでリアルタイム更新したい
押さえたいポイント
- アプリ開発向けのAPIサービス
- GraphQLが中心的なキーワード
- DynamoDBやLambdaなどを背後のデータソースとして使える
- データそのものを大量移行するサービスではない
Cloud Practitioner向けの覚え方
初学者向けには、次のように覚えると整理しやすくなります。
- DataSync = DataをSyncする → データを移す
- AppSync = Appのために使うSync → アプリをデータに接続する
厳密にはAppSyncは「アプリを同期するサービス」ではなく「アプリ用のAPIサービス」ですが、試験対策の入口としてはこの覚え方で十分役立ちます。
よくある引っかけポイント
1. 名前が似ているので同系統のサービスだと思ってしまう
これは誤りです。DataSyncはデータ移動、AppSyncはAPI提供で、役割が明確に異なります。
2. AppSyncでデータ移行もできそうに見える
AppSyncはアプリからデータへアクセスするための仕組みです。大規模なファイル転送やストレージ移行の用途には通常選びません。
3. DataSyncの「Sync」をリアルタイム画面更新の意味で捉えてしまう
DataSyncでいう「Sync」は、主にストレージ間のデータ同期です。アプリのリアルタイム表示更新とは別の話です。
試験で考えるときの判断手順
- 問題文が「データ移行」「共有ファイル」「大量転送」を言っているか確認する
- その場合は、まずDataSyncを候補にする
- 問題文が「モバイルアプリ」「Webアプリ」「GraphQL」「リアルタイム更新」を言っているか確認する
- その場合は、AppSyncを候補にする
2つのサービスを1問1答で確認
例1
社内ファイルサーバーのデータをAmazon S3へ定期的に転送したい。
→ 適しているのは AWS DataSync です。
例2
モバイルアプリからDynamoDBのデータを取得し、変更内容をリアルタイムで反映したい。
→ 適しているのは AWS AppSync です。
まとめ
- DataSyncはストレージ間のデータ転送・同期のサービス
- AppSyncはアプリ向けのGraphQL / Pub/Sub APIサービス
- 試験では「何を移したいのか」「何を接続したいのか」を見れば見分けやすい
Cloud Practitionerでは、細かな実装よりもサービスの役割を正しく見分けることが重要です。名前が似ているサービスほど、目的の違いをセットで覚えると得点につながります。
参考資料(AWS公式)
- https://docs.aws.amazon.com/datasync/latest/userguide/what-is-datasync.html
- https://docs.aws.amazon.com/datasync/latest/userguide/working-with-locations.html
- https://docs.aws.amazon.com/appsync/latest/devguide/what-is-appsync.html
- https://docs.aws.amazon.com/appsync/latest/devguide/attaching-a-data-source.html
- https://aws.amazon.com/certification/certified-cloud-practitioner/
